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ハロウィンの日記を書いてから、数時間後。
実家から母方のおばあちゃんが危篤という電話があった。
「今から5時間くらいが峠」とのこと。
日曜の深夜。もちろん実家に帰る電車は終わっている。
もう会えないかもしれない。

月曜の始発の新幹線に乗り込み、実家へ。
時を同じくして連絡を受けた横浜に住む姉と駅で合流し、その足で病院へ向かう。
救命救急のベットに横たわるおばあちゃんと再会。一命はとりとめたが、意識は回復の見込みなく、危険な状況は変わらないと言う。
なんだか寝ているみたいだった。「おばあちゃん、起きて、やっちゃん来たよー」と声をかけると、いつもみたいにとびきりの笑顔で迎えてくれそうなのに。

翌日火曜日、病院の最上階にある個室に移される。窓からは温かい秋の日差し。名古屋テレビ塔が一望出来る、良いお部屋だった。
昨日と変わらない落ち着いた容態。急変するようにも思えず、このまま生き延びるんじゃないかと希望を持ちかけた翌日。
水曜日早朝5時に母の電話が鳴った。頭の悪そうな着信音が場違いに鳴り響く。
容態が急変したとのこと。
支度の遅い父にヤキモキしながら、母と父と3人で家を出る。病院までは車で10分ちょっと。

もう呼吸はなかった。まだ体が温かかった。





小さい頃。
緑の芝生の土手で段ボールにまたがって、一緒に段ボール滑りをした。
セミを採りに神社に行って、朝の通勤ラッシュみたいにカゴをセミでパンパンにした。
バスに乗って、ユニーまで行って、「ナイショでお母さんにさせてもらえないことをしよう!」と、屋上でゲームのコイン落としをして、地下のお菓子売り場でわたパチを買ってくれて、スガキヤのラーメンを食べに連れて行ってくれた。
エレベーターで見送ってくれるときにいつも変な顔をして笑わせてくれた。
編み物を教えてくれた。
ぜんそくで苦しいときにコロコロをかけてくれた。
おばあちゃんの作るご飯、美味しくって大好きだった。

小さい頃は、学校に行くより、家にいるより、おばあちゃんの家にいるのが一番楽しかった。
晩年、ボケてしまって、近くにいるお母さんは大変そうだったけど、帰省する度に遊びに行くと、そのボケが面白くって、私はいつも笑わせてもらっていた。
おばあちゃんの記憶ではずっと私は大学生で「卒業したよ!」「就職したよ!」「結婚したよ!」と報告する度に目をまん丸にして、毎回新鮮に驚いて、そして祝ってくれた。その時の感情に嘘がないから、わたしは人一倍「おめでとう」を心から言ってもらえたんだって、嬉しくも思っていた。

おばあちゃんと過ごした26年間、本当に楽しい思い出しかない。
沢山の幸せを、本当にありがとうね。
わたしも、おばあちゃんみたいなおばあちゃんになれるように、出会う人を大切に思いやって、悔いのない人生にするね。



秋の空がキレイな10月31日。
おばあちゃんが旅立ちました。
もうおじいちゃんには会えたかなぁ。

お葬式のときに、おばあちゃんのことを知ってるお花屋さんに花束を頼んだら、金額に見合わない、とっても大きな花束を包んでくれた。その気持ちが嬉しかった。また、おばあちゃんの死を深く悼む人々の多さに驚いた。
人に優しくできる人の死を見て、これからも生きる自分の生き方を考えさせられた。

亡くなる前日は、子・孫が全員集まって、おばあちゃんを囲むことが出来ました。
危篤からの2日間。きっと、わたしとお姉ちゃんの帰りを待っててくれたんだね。
お待たせしちゃってごめんやったね。
でも、待っててくれて本当にありがとうね。

大好きなおばあちゃん。これからも、ずっといちばん大好きなおばあちゃんだよ。




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2010年女子美術大学卒
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